VOCガス
VOCガスとは
VOC は揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略称です。
国内の法令によるVOCガスの定義
- 大気中に排出され,又は飛散した時に気体である有機化合物
※浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質として政令で定める物質を除く - 大気中に気体で存在する有機化合物のうち沸点が50℃~260℃の物質の総称。
WHOより
WHOによるVOCガスの分類
名称 | 略称 | 沸点 | 代表例 |
---|---|---|---|
高揮発性有機化合物 | VVOC | 50℃未満 | メタン、ホルムアルデヒド、メチルメルカプタン、ジクロロメタン、アセトアルデヒド |
揮発性有機化合物 | VOC |
50℃~260℃ |
酢酸エチル、エタノール、ベンゼン、トルエン、トリクロロエタン、キシレン、Lニコチン |
半揮発性有機化合物 | SVOC | 260℃~400℃ | クロルビリホス、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル |
粒子状有機化合物 | POM | 400℃以上 |
PCB、ベンゾピレン |
VOCガスによる大気汚染
VOCガスは光化学スモッグの主要な原因の1つです。
浮遊粒子状物質(SPM)
大気中に浮遊する粒子状物質であって,その粒径が10 マイクロメートル以下のものをいう。ボイラーや自動車の排出ガスなどから発生するもので、大気中に長時間滞留し、高濃度で肺や気管などに沈着して 呼吸器に影響を及ぼす危険があります。
大気中に浮遊する粒子状物質であって,その粒径が10 マイクロメートル以下のものをいう。ボイラーや自動車の排出ガスなどから発生するもので、大気中に長時間滞留し、高濃度で肺や気管などに沈着して 呼吸器に影響を及ぼす危険があります。
光化学オキシダント
オゾン,パーオキシアセチルナイトレート,その他の光化学反応により生成される酸化性物質 をいい,大気中の窒素酸化物やVOC が太陽の紫外線を受けて化学反応を起こし発生する汚染物質で,光化学スモッグ の原因となり,高濃度では粘膜を刺激し呼吸器への影響を及ぼすほか,農作物など植物への影響も観察されています。
オゾン,パーオキシアセチルナイトレート,その他の光化学反応により生成される酸化性物質 をいい,大気中の窒素酸化物やVOC が太陽の紫外線を受けて化学反応を起こし発生する汚染物質で,光化学スモッグ の原因となり,高濃度では粘膜を刺激し呼吸器への影響を及ぼすほか,農作物など植物への影響も観察されています。
VOCガスの発生源

大気中へのVOCガス排出量は,年間約82.5万tと推定されています。
~VOCの発生源は3つに大別されます。~
- 燃焼系固定発生源(発電所、焼却場、清掃工場、ビルのボイラーなど)
- 蒸発系固定発生源(工場、施設での洗浄や塗装、印刷、クリーニング、給油、金属表面処理、めっき前処理など)
- 移動発生源(自動車、バイク、船舶、飛行機など)
主なVOCの排出源としては印刷用溶剤、インク、塗装などの溶剤によるものがVOC排出量の全体の約70%を占めています。
それ以外にも、クリーニングや金属表面処理などの洗浄工程を持つ工場がVOCの発生源となっています。